「先生がいるから安心」と言われる人を育てたい

「先生がいるから安心です」

この言葉を言っていただけることがあります。

私は、これは柔道整復師やトレーナーにとって、とても大きな評価だと思っています。

技術がある。

知識がある。

もちろん、それは専門職として当たり前に必要です。

でも、技術や知識があるだけで、本当に人から信頼されるでしょうか。

私はそうは思いません。

BIGTHでは、技術や知識と同じくらい、人間性を大切にしています。

接骨院の現場でスタッフが実習生へ身体の見方を伝えている様子
現場で人と向き合いながら、必要とされる力を育てていく。

柔道整復師の仕事の価値については、以前の記事「柔道整復師の価値を、もっと広げたい」でも書きました。

技術と知識があるのは、専門職として当たり前

まず最初に、誤解してほしくないことがあります。

人間性が大切だからといって、技術や知識がなくてもいいという話ではありません。

柔道整復師であれば、身体について学び続ける。

トレーナーであれば、トレーニングや身体の機能について学び続ける。

セラピストであれば、自分が提供する技術について学び続ける。

それは専門職として当然のことです。

今、分からないことがあること自体は問題ではありません。

経験が浅ければ、知らないこともある。

できないこともある。

でも、

「分からないから勉強する」

「できないから練習する」

そうやって、自分を高めようとし続けられるか。

私はそこを見ています。

最初から何でもできる人はいません。

ただ、自分を高めようとしない人に、人の身体を任せることはできないと思っています。

でも、技術や知識だけでも足りない

反対に、知識がたくさんあって、技術が上手ければ、それだけでいいのか。

それも違うと思っています。

人に興味がない。

周りに気を配れない。

患者さんや利用者さんを心配できない。

自分のことばかり考えている。

何かあれば言い訳をする。

どれだけ技術や知識があっても、そういう人を「この先生なら安心だ」と思えるでしょうか。

私は難しいと思います。

身体を扱う仕事は、人と向き合う仕事です。

症状だけを見るのではありません。

その人が何に困っているのか。

何を不安に思っているのか。

仕事では何をしているのか。

スポーツなら、いつまでに復帰したいのか。

家ではどんな生活をしているのか。

そういうことに興味を持たなければ、本当にその人に必要なことは見えてこないと思っています。

人間性は、技術や知識とは別のものではない

私は、人間性と技術は別々のものではないと思っています。

人に興味を持てる人なら、

「この人のために、もっと知りたい」

と思う。

だから勉強する。

責任感がある人なら、

「分からないままにしてはいけない」

と思う。

だから調べる。

練習する。

他の先生に聞く。

素直な人なら、注意されたときに言い訳をするのではなく、

「そういう見方もあるのか」

と吸収できる。

だから成長する。

患者さんを本当に心配できる人なら、

「今日の施術だけ終わればいい」

とは思わない。

この人が明日どうなるのか。

一週間後どうなるのか。

仕事に戻れるのか。

競技に戻れるのか。

そこまで考えるようになる。

だから、私は人間性が技術や知識を高める土台になると思っています。

単に優しい人になれ、と言っているわけではありません。

人のために考えられる人になること。

それが結果として、専門職としての成長にもつながると思っています。

難しいからと、勉強から逃げない

身体のことを勉強するのは簡単ではありません。

解剖学、生理学、運動学、病態、評価、トレーニング。

覚えることはいくらでもあります。

現場に出れば、教科書通りではないこともたくさんあります。

だから、

「難しい」

と感じること自体は普通です。

ただ、

「難しいから自分には無理」

と最初から決めつけて、勉強することから逃げてしまうのは違うと思っています。

全部を一度に覚える必要はありません。

目の前の患者さんについて分からないことがあれば、一つ調べればいい。

できない評価があれば、一つ練習すればいい。

自分の知らないことを認めて、一つずつ埋めていけばいい。

人の役に立ちたいという気持ちが本当にあるのであれば、その勉強には意味が出てきます。

「試験のために覚える」のと、

「目の前の人のために知りたいと思って学ぶ」

のとでは、同じ勉強でもまったく違うと思っています。

相談しやすい先生であってほしい

私自身、ありがたいことに、何かあったとき最初に相談していただくことがあります。

怪我をした。

身体に不調がある。

病院へ行った方がいいのか分からない。

家族のことで相談したい。

スポーツをしている子どものことで聞きたい。

そんなときに、

「まず先生に聞いてみよう」

と思ってもらえる。

そして、

「相談してよかった」

と言っていただける。

これは本当にありがたいことです。

私は、こういう存在をBIGTHでも増やしたいと思っています。

大きな症状だけではありません。

些細なことでも相談しやすい。

「こんなこと聞いていいのかな」

と思うようなことでも話せる。

そして、相談された側も適当に流さず、一緒に考える。

自分で分からなければ調べる。

自分たちだけで対応すべきではなければ、他の専門家につなぐ。

そういう人なら、自然と信頼されていくと思います。

「できるふり」をする必要はない

安心される先生になるために、何でも知っているふりをする必要はありません。

むしろ私は、できないことを認められる人の方が信頼できると思っています。

分からないことを、

「分かりません」

と言える。

自分で対応できないものを、

「これは専門の先生に診てもらった方がいい」

と言える。

そのうえで、分からなかったことを後から勉強する。

それでいいと思います。

問題なのは、知らないことではありません。

知らないことを隠すこと。

分からないままにすること。

誰かのせいにすること。

言い訳をすること。

私はそこだと思っています。

BIGTHが育てたいのは、「人に必要とされる人」

BIGTHでは、

説明力。

判断力。

責任感。

素直さ。

できないことを認めること。

必要なときに他の専門家へつなぐこと。

清潔感。

言葉遣い。

こうしたことも大切にしています。

ただ、これらを一つひとつルールとして覚えてほしいわけではありません。

もっと根本にあるのは、

「相手のことを考えられる人でいてほしい」

ということです。

相手に興味を持つ。

相手の立場を考える。

困っていたら心配する。

分からなければ学ぶ。

間違えたら認める。

注意されたら吸収する。

それができる人なら、技術や知識は後からどんどん伸びていくと思っています。

自分だったら、どんな先生に相談したいか

これから柔道整復師やトレーナー、セラピストとして働く人には、一度考えてみてほしいことがあります。

自分が怪我をしたら、どんな先生に身体を任せたいでしょうか。

家族が困っていたら、どんな人に相談したいでしょうか。

知識をひけらかす人でしょうか。

技術だけをアピールする人でしょうか。

それとも、

話を聞いてくれる。

分からないことを曖昧にしない。

必要なら一緒に調べてくれる。

自分で対応できなければ、きちんと他の専門家につないでくれる。

そして、何かあればまた相談したいと思える。

私は、そんな人ではないかと思います。

であれば、自分自身がそういう人を目指せばいい。

「先生がいるから安心」

そう言ってもらえることは、簡単ではありません。

一つの資格を取っただけで得られるものでもありません。

日々、人と向き合うこと。

学び続けること。

自分自身と向き合うこと。

その積み重ねの先にある言葉だと思っています。

BIGTHでは、技術だけが高い人を育てたいわけではありません。

知識だけが多い人を育てたいわけでもありません。

人に興味を持ち、人の役に立つために学び続けられる人。

そしていつか、

「この先生がいるから安心」

そう言ってもらえる人を育てていきたいと思っています。

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